スポーツグラス・スポーツサングラスを度付きのする方法として、
元々入っているレンズを取り外し
直接度付きレンズを入れるダイレクトインサートという方法と、
サングラスレンズの内側にクリップオンフレームをセットし、
そのクリップオンに度付きレンズを入れて度付き化する
インナークリップ方式があります。
各々メリット・デメリットはありますがいずれも間違いなく度付きにすることが出来ます。
今回このスポーツグラスの度付きについての動画を作成してみましたので
是非合わせてご覧いただけますようお願い申し上げます。
■タケオNEWS
まずインナークリップ方式の度付きについて、
メリットとしてはやはり価格がダイレクトに度付き化する方法よりも
比較的安価に出来るということが大きなメリットと言えるでしょう。
また、どんなに強度数であっても
ほとんどの度数で度付き化させることが出来ることも大きなメリットのひとつです。
インナークリップは基本的にそのモデルによって取り付け出来るクリップが異なります。
そのサングラスやメガネの形状に合わせて
最適な形状をもったクリップを使用することで
視界や重量バランスがしっかり保てます。
また、金栄堂ではインナークリップにお入れするレンズも
すべてUVカット付のレンズを使用します。
インナークリップ方式のデメリットとしては
まずあくまでサングラスレンズの内側につくものなので、
サングラスレンズよりはやはり小さい形状となりますため
見える範囲は限られます。
基本的には正面視のみの視界となります。
また、どうしてもサングラスの内側につく物のため、
まつげが触れてしまったり、触れないようにすると
サングラス自体がかなりお顔から離れてしまう場合があり、
その部分から光の入射が入る場合があります。
また、レンズがサングラスレンズを含め2組4枚付くことになりますので、
重量はフロント部分が特に増し、ずれやすくなってしまう場合もあります。
こういったメリット・デメリットはありますが、
インナークリップ方式のアイウェアの中で非常に優れたアイテムもあります。
代表的なもので言えばこのルディープロジェクトのエクセプションでしょう。
完全に設計する段階から度付きレンズを入れることを前提としておりますために
度付きレンズが入っても無理のない設計になっております。
更に跳ね上げという機構を持ち、様々な明るさに瞬時に対応出来ます。
インナークリップ方式としては色々なアイテムがありますが
その中でこのエクセプションはインナークリップ方式としては
非常に完成度の高いスポーツグラスと言えます。
これに対してダイレクトインサート方式:直接度付きにする場合は、
度なしレンズを取り外し、そこに度付きレンズを直接はめ込みます。
あくまで元のサングラスイメージを崩さないように、
元々入っておりますサングラスレンズとレンズの表カーブが
仮に8カーブであれば同じ8カーブの、
6カーブであれば同じ6カーブのレンズをお入れします。
そうすることで見た目を損なうことなく、
元のサングラスのイメージのまま着用することが出来ます。
これは2003年ころになるでしょうか。
私がすべて手作業でオークリーのROMEO2というモデルを
度付きで作成したものです。
フレームとレンズのはめ込み部分、レンズカーブ、そして度数の強さと
非常に難しいアイテムで通常の切削ではこのROMEO2を作成することは出来ません。
大まかな形に削ったあとハンドリューターでフレームとレンズの
はめ込み部分を削り、切断面を紙やすりで600番台から2000番台まで
徐々に目を細かい紙やすりを使ってしあげていきました。
最後にバフかけを行い、フレームのトルクス部分の切り込みと
鼻側の突起を作ってあげて完成です。
当時はこの1本を作成するだけで3時間半前後かかりました。
ただレンズカーブを合わせるのではなく、
切削位置などもすべて加味し、
デザイン上でも元のイメージを忠実に再現します。
厚みが出る分、レンズの厚みが出た分はこのように後ろに出していきます。
大きなメリットとしては直接度付き化することで
元々そのアイウェアが持つサングラスレンズと同じ
非常に広い視界を得ることが出来ます。
これは度数が近視の-7.00、そしてレンズサイズが非常に大きいモデルですが
これもこのような形で度付きで作成させていただきました。
以前は上記のROMEO2などはほとんど手作業でしたが
新しい機械などを導入したことにより
より精密に、より元のイメージを忠実に再現し
デザイン面でも機能面でも素晴らしい仕上がりにすることが出来るようになりました。
特にスポーツ時はあらゆる方向でしっかりと情報を得られることは大きなメリットです。
度なしと同じように十分な視界を得られること、
そしてインナークリップ方式と異なり、
度なしのサングラス同様にしっかりと奥までアイウェアを着用し
光の侵入などもしっかり防げます。
デメリットとしては価格がある程度高価になるということが挙げられますが、
金栄堂のスポーツレンズはすべてUVカット練りこみのため
いくら深く傷が入っても紫外線を吸収し
眼を保護してくれる効果は変わりありませんし、
これだけの視界を得ることが出来るメガネというのは他にありません。
スポーツ時は眼からの情報が約9割にも上ると言われます。
いくらでも情報を仕入れたものが勝負を制すると言っても過言ではないでしょう。
また、デメリットとしてはどうしてもサイズやレンズの湾曲のために
ややレンズが一般レンズと比較した場合はやや厚くなります。
こちらは上記のNIKEのImpelですが、-7.00でこれだけのサイズになると
このようにある程度の厚みは出てきます。
厚みが出る分まつ毛などの干渉も考えられますが
インナークリップ方式とは全く別物ですし、
チューンナップやフィッティングパーツなどを施すことで
しっかりとお顔にフィットさせ、通常のメガネよりも広い視界を確保し、
まつ毛などの干渉や光の侵入も大幅に防ぐことが出来ます。
また、番外編として例えばOAKLEYのRADARなどは
レンズが左右に分かれていないシールドレンズというものを使用しています。
左右がわかれていない状態で度付きにするということは出来ません。
ですがこのRADARの機能を最大限に活かしながら度付きにする方法。
それはこのようにシールドレンズをくりぬき、度付きレンズをその部分に
はめ込むことで度付き化するという方法です。
これはわかりやすいようにシールドレンズがIceというカラーなのに対し
クリアレンズをはめ込んでありますが、
基本的にはそのシールドレンズに合わせたお色で作成させていただきます。
度付きレンズ部分を外してみるとこんな感じです。
仮にこういった形でお作りいただいても、度なしになっているシールド部分からも
光というものを感じることが出来るため、
RADARそのものの機能をこうして度付き化しても最大限に活かすことが出来ます。
必ずしも度付きがすべてではありませんし、使い用途などによっては
度付きをベースで考えた場合に適さないモデル等もあります。
ですがその方が最も活躍できるように最適な視界を作り上げることが出来ます。
独自の作成方法や、その使われる方の用途や競技、
見た目や度数の兼ね合いなど様々な要素を加味し、
様々な方法を用いて
最強の度付きスポーツグラス・スポーツサングラスを作り上げます!
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