一般的なメガネレンズには例えば薄型、超薄型、
そのレンズの屈折率やコーティングなどによって価格が分けられたり
オプションが設定されたりしております。
ではスポーツレンズの場合は?
通常のメガネレンズの分け方とは少し異なりますが、
まずスポーツレンズの第一の考えとなりますのはその安全性。
強度と紫外線カット率。これをなくしてスポーツレンズとは言えません。
まずそのスポーツレンズの紫外線に対する安全性については以前の記事を
ご覧いただければと思います。
■紫外線が目に及ぼす影響とその対策
スポーツサングラスの代表例とも言えるOAKLEYのレンズの強度については
こちらをご覧くださいませ。
■OAKLEYレンズの強度テストと検証
スポーツグラス・スポーツサングラスについては
多くのメーカーがポリカーボネート素材を用いたものが多いですが、
現在注目を集める最先端のスポーツレンズ素材であるNXT素材についても
先日動画を作成させていただいておりますので
ご覧いただき皆様のご参考にしていただければ幸いでございます。
スポーツレンズの場合はまずこれらの安全性の条件を満たすことが
絶対条件ですが、スポーツグラスやスポーツサングラスは
その保護するという性能面から湾曲したレンズ形状をしているものが多いです。
まず度付きの場合に関してはレンズ素材に関しては
もちろん通常のレンズ素材というものは上記の理由から
使用することはありません。
そしてレンズというものは単純に考えますとレンズの湾曲が深くなればなるほど、
つまりレンズカーブが強くなればなるほど
レンズの厚みというものが出てきます。
ここで、レンズの薄さの比較はよく屈折率で表されます。
屈折率とは入射した光がそのレンズを通した場合に
どれだけ曲げれるかの比率で決定されます。
屈折率はスネルの法則で成り立っており、その数値がレンズ素材によって異なり
数値が高ければ高いほどレンズはその入射した光を曲げる力が大きいことから
レンズは薄く出来るというわけです。
スネルの法則のとおり、同じ媒質(レンズ)であれば、絶対屈折率が成り立ちますので
レンズの素材が異なれば、入射した光を屈折率の高いものと同じだけの位置に
入射させるには、レンズを厚くしなければならないため
屈折率が高ければ高いほどレンズは薄く出来、
逆に低ければ低いほどレンズは同じ度数でもレンズが厚くなるわけです。
ですがレンズにカーブがつく場合、屈折率が高くともレンズの厚みが
大きくは変化しません。
というのも、レンズの表側のカーブが例えば8カーブという強いカーブの場合に、
度数に関係なくレンズのカーブを表側を同じにしなければならないからです。
そしてカーブレンズの場合、度数に応じて裏面を研磨していくことで
必要な度数を出していきます。
そのため、屈折率の違いでは通常のメガネのように大きな変化が見られない
場合が多いです。
もちろん若干の違いはあるのですが、
それよりも上記で書かせていただきましたその安全性の部分が
特にスポーツグラス・スポーツサングラスの場合は重要になってきますので
度数が入ります場合は、屈折率などを重視するよりも
その安全性であったり、お使いになる状況に合わせたレンズを選ぶことが
最も効率的な方法と言えるでしょう。
当店の度付きスポーツレンズもそのような考えで
全て度数によって分けさせていただいております。
そして屈折率が一般的に高くなればなるほど色分散率が高くなります。
光の波長がレンズを通した際に焦点を結ぶ位置が異なるために、
屈折率の高いレンズを通した場合、その位置が大きくずれが生じ
文字通り色が分散し、それによって色ずれが起こってしまいます。
レンズのグレードとはスポーツレンズに限っては特に
薄さだけというものより、その適したレンズを用いることが重要です。
そしてレンズが厚くなることで、眼とレンズとの距離が近くなったり
それによって曇りやすかったり度数の変化量が大きく変わったりと
色々なことが起こります。
それをどう実際の完成品をイメージしてご提案できるか、
そこがカーブ変換前の度数、同じサングラスやフレーム、レンズを使用しても
実際に出来上がったものは、その合わせ方で全く違ったものになります。
これは計算上だけの数値で出るものではありません。
私も今まで本当に試行錯誤がありましたが、本当にたくさんの方々のご協力を頂き
歴代、現在のサポート選手たちに色々お教えいただくことで
本当によいご提案が出来るようになったと思います。
その使い方や競技、同じスポーツであっても選手のご要望される主訴も違えば
お顔立ちも皆千差万別です。
それに合わせて私の今までの経験や検証結果をもとに
最適なレンズをお選びさせていただきます!
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