2012年3月27日火曜日

製法と加工技術と各人に合わせた調整があってこその、あなたのためのスポーツグラス

偏光レンズの種類とその違いについて

タケオNEWSにて新しい動画を追加してありますので

是非ご覧いただけますようお願い申し上げます。



今回は偏光レンズという部分でのお話をさせていただいておりますが

仮に同じ素材を用いたとしても、その製法で全く性能の違うものに

なってしまう場合というのがメガネレンズの場合はあります。

その代表例がこの偏光レンズでもありますが、通常のメガネレンズでも

同じことが言えます。

そしてどんなに素晴らしい素材を用いたとしても

実際にかけるのはレンズそのままの状態でなく

フレームに合わせて切削され、視力矯正メガネであったり、サングラスや

スポーツグラス・スポーツサングラスとなります。

この作業は私たちが行っていくわけですが、

どんな商品であってもやはり個体差が若干でもありますし、

加工機(切削する機械)の技術の進歩は素晴らしいものがありますが

最後にはやはり手で修正を行っていきます。

そしてこういった作成の技術的な部分はもちろんではありますが

眼の癖や動き、状態、目的や見たいもの、それらを測定し

度なしであっても適したモデルやカラーが異なるために

本当にその方に求められる視界を実現するために

必要なアイテムを選別していきます。

どこまでやればいいということではなく、私は常に今の現状に満足せず、

常にもっとよいご提案や方法があるのではないかと色々な観点から模索し、

それらをテスト・検証を行い、皆様の更なるご活躍の助力となれるよう

日々探究心をもって仕事に臨んでいます。

そして仮にゴルフや自転車という競技で、同じ競技の選手であっても

適したレンズの色やフレームの形状も変わりますし、

どのように調整していくかも変わります。

もちろん一定の指針がなければどれを選べばいいのか、

どのように合わせていったらいいのか分からないですが、

その一定の指針となるべきものを金栄堂サポート選手たちと検証しております。

今回新たな検証をするために、佐野伸弥選手、そして佐野選手の所属する

大垣レーシングの皆様にもご協力を頂戴し、この検証結果を元に、

新たな試みへと進んでいきます。

これらの検証結果を指針とし、そして個々人に合わせた最適なアイテムの選別と

それらの持ち味を最大限に活かせる作成・調整を行い、

本当にあなただけのスポーツグラスを創り上げることが出来ます。

今後もまた新しい、そしてより皆様のお力となれる

アイウェアのご提案をしてまいります!




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2012年3月23日金曜日

可視光線透過率とレンズ特性

可視光線透過率とは私たちが見ることが出来る=可視出来る光線のことを言います。

紫外線や赤外線は見ることが出来ないことから、不可視光線と呼ばれます。

そして可視光線透過率とレンズ濃度との違い、

同じ可視光線透過率の数値でもその色の特性によって見え方が変化しますことを

タケオNEWSの方で解説させていただいておりますので

是非ご覧いただけますようお願い申し上げます。



この色の特性、極端な例で申し上げれば先日金栄堂のHPでも

ご紹介させていただきましたネオコントラスト/シーコントラストなどが

各々の波長帯の可視光線透過率を表す分光透過率においては

この波形のように、ある一定の波長帯のみを極端に落とすことで

落ちている波長帯以外の部分が強調され

コントラストが向上して見えるというレンズです。

■ネオコントラストレンズの分光透過率表


通常このような波形に色だけでコントロールすることは難しく、

特に光学におけるバンド幅は通常ここまでのバンド幅で調整するのは

染色だけでは出来ないものです。

通常染色したレンズのバンド幅というものはその減光している波長域の部分では

なだらかな一定の長さの幅を持つ波形になります。

無機のネオジューム鉱石と有機のプラスチックを融合させるという

画期的な方法により、上記のような特殊な波形を持つレンズに

仕上げられ、他の波長域との差で非常に高いコントラストを出し、

視認性を高めることが出来たわけです。

続いてはこちらの分光透過率表をご覧ください。


これはTALEXトゥルービューの分光透過率表です。

ネオコントラストとは逆に、各々の波長域に対しての凹凸がないのが

お分かり頂けると思います。

これは端的に申し上げればすべての色が変化なくトーンダウンするということで、

この状態は色の3原色に基づいて作成された

TALEXトゥルービューのみが成し得るものであり、

色調を変えずとにかく自然に見えるレンズということです。

色が変わらないということは、距離感の違いも出ません。

数ある偏光レンズの中で唯一色で特許を取得しているのが

このTALEXトゥルービューで、他社では真似出来ないレンズです。

このように表示されております透過率のものが数値が同じであっても

各々のレンズカラーなどによる特性が異なり、

適したシーンや時間帯、競技の種類、その方の眼の状態などによって

その選手にとって本当にそのレンズの持つ効果を最大限に発揮し、

力になってくれるレンズというものは全て違います。

レンズカラーは無数にあれど、本当に適した情報を提供してくれるものとは

上記のような眼の状態や癖、見たいもの、使われるシーンや時間帯で

適したものが変わります。

逆に本当に見たい視界、本当に得たい情報を提供してくれるレンズとは

表示されている数値だけでは計り知れるものではありません。

その分析とご提案は長年のテストをプロアスリートの方々や

金栄堂のお客様とともに検証し、分析してきたからこそ

最適なご提案が出来るものであり、これが私が出来ることです。

本当に見たい視界を実現するために、

本当にあなたにとって必要な情報を提供するために

あなただけの本物のスポーツグラスを創らせていただきます!







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2012年3月20日火曜日

中間周辺視と側方周辺視に合わせたスポーツグラス・スポーツサングラス

見える範囲を視野と言いますが、先日私たちが認識出来る

視野の広さは通常片眼で上方60度、下方75度、鼻側60度、耳側100度くらいまで

左右で180度まで認識出来るのが

一般的だとお話させていただきました。

左右で120度部分くらいは左右で重複した視野となります。

ではメガネやサングラスをかけた状態ではどうでしょう。

一般的なメガネの場合はそのメガネ自体のサイズや瞳孔間距離(PD)、

メガネレンズと眼の頂点の距離である頂点距離でも変わっては来ますが

一般的に110度~120度くらいの視野と言われています。

これに対してハイカーブアイウェアや湾曲したスポーツグラスなどは

130度~150度前後と言われております。

これは単純に考えていただければそれだけ視界をしっかりと確保出来る

ということを指すわけですが、

先日申し上げましたように、視力が最も出ている部分は

網膜中心窩、つまり中心から20度前後の位置が中心視といって

最も視力が出ている部分です。

ここでこのようにまっすぐ手を伸ばして指を1本立てていただくと

その指の先の爪がしっかり見えると思います。



この部分が中心視力と呼ばれる部分です。

そして100度前後の視野に関しては中間周辺視野と言われ

例えばこうして正面の指を見ながら

もう一方の手を外に開いていった際に、

視力という面ではかなり落ちますが、

例えば指の数が何本出しているかなどまでわかります。


つまり見えている物体が何であるかや、場所の認識まで出来る視野となります。

そしてまっすぐ真横に腕を伸ばしていただくと、指を何本出しているかは

わからないと思いますが、

指が動いているのまでは認識が出来ると思います。


この部分が側方周辺視野です。

中間周辺視野に関しては追い上げてくる選手の顔の表情、

ボールを見ていてもボールを打った後の相手の動きなどを見たり

そのボールを返すエリアを捉えたりする重要な部分です。

側方周辺視野については、いち早く広い範囲で追い上げてくる選手や

フィールドでの周囲の動きなどをいち早く広い範囲で察知するという部分です。

これらの周辺視と言われる部分の働きの違いと各々の役割、

そしていずれも欠けてしまってはそのパフォーマンスが

最大限に活かせないことがお分かり頂けると思います。

逆にそれらがあなたの理想の状態で見えたのであれば

必要な情報を素早く仕入れ、伝達し、行動に移すことが出来ます。

これはどんな競技であってもいくらでも情報が入ることで

即座に行動に移し、対応が出来る、文字通りアスリートの力となるものです。

そのためにスポーツグラスやスポーツサングラスはハイカーブ、

つまり通常のメガネよりも湾曲が強いものが多いですが、

反面、構造上の話で言えば顔に近づくためにまつげが触れて汚れやすかったり、

曇りやすかったり、せっかくそれだけの視界を提供できるアイウェアであっても

レンズそのものが見づらくなってしまっては全くの無意味であり

それこそ邪魔なものとなり、むしろかけない方がいいものとなってしまいます。

そしてかけ具合の部分に関してだけでなく、

光学的にレンズは簡単に申し上げれば眼に対して平行でなく

中心から耳側に行くに従ってハイカーブアイウェアの場合は傾いています。

ということはどうなるか、入射する光がこの傾きのせいで

焦点を結ぶ位置が変わり、簡単に言えば歪んで見えます。

つまり私たちが通常見ているものと同じように見えず

距離感の狂いが生じたり、大小感が変わったり、物体の形状が違って見えます。

いくら早く認識が出来たとしても、これではスポーツ時、早い動きの中で

正確な認識が出来ないということで、見える範囲がいくら広く情報を取得しても

それが本当に必要な情報として伝達されず

意味をなさないものになってしまう可能性もあります。

そこで例えばオークリーなどが行っているのがプリズム補正などです。

これは度なしであろうと度付きであろうと、レンズに傾きが生じれば

度合いの違いはあれど必ず起こります。

これはもちろん左右だけの傾きだけでなく上下の傾きも同じように起こります。

その湾曲した角度で生じる誤差に対して適切に光を屈折させて

眼の中に正しく情報を伝達するために、この補正が施されています。







そして度付きの場合でもオークリーのトゥルーデジタルやIC RX NXTレンズは

このプリズムに加え、各々のポイントで適宜した度数を出すことの出来る

自由曲面での研磨を行っており、度付きレンズとして非常に秀逸な見え方を誇ります。





このようにレンズ自体の研磨方法などにより、

度付きの見え方をより高めることが可能となりました。

これは度付きアスリートにとっては素晴らしい技術革新だと思います。

同じレンズ度数であっても一般的な視力と呼ばれる

中心視部分の見え方だけでなく、このように周辺視をも向上させることによって

さらにその選手のスキルをアップさせることが出来ます。







そしてどのようにその機能を活かせるかは簡単な度数測定だけだったり

デザインだけの選択では成し得ないものです。

先日ゴルフ用でちゃんと見えるもので安いのはないのか?

と言われたことがありましたが、確かに

スポーツグラス・スポーツサングラスというもので安いものもあります。

ですが眼の保護はもちろんですが、本当に今あなたが使っているものは

あなたにとって本当に必要な視界を手に入れることの出来る

あなたのためのスポーツグラス・スポーツサングラスでしょうか?

そのスポーツグラス・スポーツサングラスは

本当にあなたにとって力となってくれるアイウェアでしょうか?

値段が高ければいいというわけではないですし、

もちろん安いことに越したことはありません。

ですが、本当にそのあなたの求める視界が実現出来ないのであれば

どんなに安いものでもただお金を捨てているようなものだと思います。

逆に本当にあなたが求める視界が実現出来れば

スポーツをより楽しめたり、よりあなたを高みへ導いてくれるものになることは

間違いないでしょう。

本当にあなたが欲しい情報、視界を実現するために私が出来ることがあります。

今まで様々なプロやトップアスリート選手から頂いたご意見や使用感、

そして今までのテストの検証データ、そして私自身の経験をすべてフィードバックし、

スポーツや競技に合わせたデザインや構造でのフレーム選択、

加工、フィッティング、視界の広さの確保やレンズの補正、

あなたが本当に求める視界を実現出来る

本物のスポーツグラス・スポーツサングラスを

一緒に作り上げていきましょう!










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2012年3月17日土曜日

使うシーンや状況、姿勢などすべてを加味したスポーツグラス

本日タケオNEWSを更新しております。

■タケオNEWS



偏光レンズの加工と歪についてお話をさせていただいておりますが

偏光レンズというのはレンズ素材、偏光膜の素材や製法、

そして加工で大きくその性能が変わります。

偏光レンズの性能を最大限に引き出せる加工を用いてこそ

その性能が存分に発揮され、使われる方のご要望を叶えるものだと思います。

そして特殊な加工技術を用いてこうした偏光レンズを切削し

取り付けを行うことでその性能を存分に発揮できる

偏光サングラスが出来上がるわけですが

物自体は非常に素晴らしいものが出来たとしても

今度はお顔に当てた際にずれたり使い用途に合わない調整であっては

何の意味合いもなくなってしまいます。

これは加工前の状態で確認をさせていただき、

出来上がり、そしてその方がかけられる用途、かけた状態をイメージして

全て作成や調整を行っていくわけですが

私はその際にこういった器具を使用します。


ドイツ・ローデンストック社の器具ですが、

これらの器具はこういう使い方をします。

まずこの器具。


角膜頂点距離を計測する器具で、CVD測定器というものです。

窓の部分にプリズムバーが入っており

その位置関係を調べることで虹彩とメガネフレームの距離を測定出来ます。

角膜と虹彩の位置関係の誤差は計算されて作成されている器具ですので

表示はその誤差を加味した値で表示されます。



続いてこちらの器具。


こちらは装着時のフレーム前傾角を計測する器具です。







そしてこちらの器具はフレームのあおり角を計測する測定器です。



基本的には度なしであっても度付きであっても

その方が使われる姿勢で視軸とレンズの光心を合わせ

前傾角・あおり角を眼に対して適した角度に合わせるのがベストです。

そうすることで見え方の部分は正しい見せ方をすることが出来ますが

スポーツグラス・スポーツサングラスの場合は

その保護の観点からお顔に沿ったカーブをしていたり

特殊なカーブをしている場合があります。

使い用途によってすべて適したものは変わってきますが、

これらの器具を用い、その方の癖や姿勢、用途で最適な状態を想定します。

度付きの場合は特に通常の度数測定を行ってから

まずはどういった状態で使用されるのかに合わせてプレフィッティングします。

その後お選びいただいたフレームやサングラスの形状、

そしてプレフィッティングして大体の出来上がりの状態をイメージし、

それに合わせてマーチンの方式による各々の角度での度数変化、

頂点距離の変化による度数変化、

プレンティスの公式を用いてプリズムの入り方を計算し、

度数計算を行い、最適な見え方になるように度数調整を行います。

このようにその方の使われる用途や状態、姿勢

実際に使う中での状況などをすべてイメージした上で

最適な調整を行います。

こうすることで素晴らしいアイウェアが、

その方の、その目的で、最大の力を発揮出来るようにするのが私の仕事であり、

ただ単にそのアイウェアのみの性能だけを求めるわけでなく

仮に同じ商品だったとしても、

各々のお顔の形状や用途、目的に応じて

最大限のパフォーマンスを引き出せるように加工から調整を行います。

これが那須 丈雄が作る

競技者・アスリートのための本物のスポーツグラス・スポーツサングラスです。






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2012年3月16日金曜日

利き目とスポーツについて

人間利き腕や利き足というものがあるように、利き目というものがあります。

そして利き目がその方の優位眼となるケースが多いです。

優位眼というのは網膜の視野闘争における優位眼、

輻湊近点測定時に表される優位眼、

標的に狙いを定める優位眼などの優位眼を一般的に優位眼とも言いますが、

ここでいう優位眼とは標的に狙いを定める運動性の優位眼のことを言います。

例えば急にボールを投げられた時にとっさに手が出るのは

無意識であれば利き手が先に出る場合がほとんどです。

これと同じように、とっさの状況であれば

利き目をどう活かしていくかが、特にスポーツにおいては重要視されると言っても

過言ではないと思います。

これは度付きの方に限らず、度なしの方であっても同じことが言えます。

実際の視力測定前の予備検査に当たる部分ですが

この利き目に対して特にどういった対応をしていくかが

まずは最初のキーポイントです。

ここで注意点としては必ずしも利き目を優位眼として扱う方法が

最良でないケースもありますことをお話ししておきます。

ですがこの利き目をどう扱っていくかでスポーツ時の眼の動きに対して

察知する時間をコントロール出来る場合があります。

利き目がどちらかというのは至極簡単な測定方法で行います。

ご自身でも簡単に出来る利き目のチェックをご紹介させていただきます。

柱や時計、テレビなど、何でも結構ですので

2m~3m離れた場所の対象物を一つ決めます。

ここではイメージとなりますが、お店の中で撮影してみます。

CHUMSの什器をここでは対象物とします。



それを決めた後、両腕を伸ばした状態で三角形を作ってあげます。

その三角形の中に対象物が入るように見てください。



その後片目ずつつぶっていただくと、

片方の眼で見た場合は見ている対象物が三角形の中に入ります。

逆の眼で見た場合は三角形の中には入っても中心から

ズレているかその対象物は入りません。



仮に右で見た場合その三角形の中に対象物が中心にあれば

その方は右眼が利き目となります。

では利き目をどうやって活かしていくのかということになりますが

例えば度付きの方で必ずしも利き目の方の視力を出していき、

他眼よりも見えるようにするということではありません。

特に左右差があります度付きの方の場合は不等像視などの兼ね合いで

複視を起こしたりしないようにしたり色々な要素がありますので

度付きの方に関しては特に十分な測定とその方の癖や使い方を

十分考慮した上で度数決定し、最適な調整などを行っていきます。

度なしの方でも眼の動かし方や平行法による簡易的な視野測定と

カバーテスト、交代カバーテストによる眼の動き(斜位、斜視の有無)、

ポラテストやマドックスによる斜位測定、

輻湊近点測定、抑制がされていないかのチェックなども

行わせていただく場合があります。

その状態により精密にレンズで調整を行える場合があれば

適した状態でレンズを作成させていただきます。

ブロックストリングを使用したビジョントレーニングなども行う場合もあります。

また、その眼の動き方やその方の癖、使われる場所や姿勢などで

まずは使用するモデル、レンズの選定を行います。

そしてかけ具合の調整をその利き目が最も活かせる状態で行っています。

曇りが出来るだけ特に利き目の側に出ないように

出来るだけ利き目の方に十分な視野を持たせたりなど

色々な要素を加味してこういった調整も行わせていただきます。

利き目の視野の確保の面で、

レンズの明るさによって瞳孔も収縮したりする場合もありますため

対光反射の直接反応、間接反応を見させていただくのと、

利き目の動き方であったり、競技や姿勢の部分でレンズカラーの調整を

行わせていただく場合もあります。

このように利き目の動かし方などによって最適なものをご提案させていただき、

その競技で更にパフォーマンスを発揮させます!









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2012年3月14日水曜日

ランナーなどのメンタル要素をコントロールするために

今回は今までお話してきた内容とちょっと逆になる事例をご紹介させていただきます。

瞬間視や周辺視がスポーツビジョンの考え方としては

非常に重要だとお話させていただいてまいりましたが

逆に上がり症の方や緊張をほぐすためにスポーツサングラスを使用される方も

多くいらっしゃいます。

例えばマラソンやランナーの方、屋外で走られるわけですから

眼の保護の観点から今までお話させていただいた

紫外線などの有害光線からのからの眼の保護が必須であることは

言うまでもありませんし、ランナーの方には必須条件です。

その中でマラソンなどの競技の場合は目標とする対象物が

コースの目印くらいであり、ほとんど視界的な情報取得を必要とはしません。

極端な例で言えば水泳も同じです。

つまり、周りの情報をあえて遮断することで集中力を高めたり

周りの観客の方々をあえて見づらくし自分の世界に入るために

自分が見たい対象物以外を見づらくするという方法があります。

この写真をご覧ください。



向かって右側が通常見ている明るさと見え方です。

向かって左側は可視光線透過率10%のグレーのレンズを通した見え方です。

右側はほぼ鮮明にモデルやその色自体がお分かりいただけるかと思います。

逆に左側の方はその認識が非常に見にくくなっているのが

お分かりいただけるかと思います。

人間の眼というのは中心視、つまり自分が見ている視線の対象物は

多少暗くなろうともしっかりと見ることが出来ます。

その中心視の角度は5度前後が最もはっきりと見える部分で、

その角度以降は視力という部分では極端に視力が低下した状態で見ています。



視力自体は周辺部分で低下していきますが、

人間の耳側方向の眼は片眼100度方向まで見ることが出来(100度までの視野)、

両眼での視界は180度まで見えると言われています。

それが今までお話させていただきました周辺視というものですが

視力自体は下がっても周辺部分も見えているために

正確な数はわからなくともたくさんの人がいることや

その方々が自分を見ていればそれも自分自身が極力見ないようにしていたとしても

認識出来てしまいます。

もちろん見られることで高揚し、やる気が増すという方も多くいらっしゃいますが

逆にそういったことで起こる緊張や集中力の途切れなどで

自身の持つ能力を最大限に発揮出来ないという方もいらっしゃいます。

そういった方にはオークリーで言えばBlackIridiumや

ルディープロジェクトのレーザーブラックなどのような濃いカラーを

使用をお勧めさせていただくケースもあります。

これらを使用することで目標物以外が認識しづらくなり

その競技に集中できるというケースもあるということです。

スポーツグラス・スポーツサングラスの使い方、

この事例のように必ずしも全てを見せるだけが目的ではありません。

そういったメンタル的な使い方をすることで

その競技において最高のパフォーマンスを発揮させ

あなたにとって欠かせないギアを作り上げます!




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2012年3月11日日曜日

本当に必要な視界を実現するために必要なもの

偏光レンズの心臓部とも言える

偏光膜(偏光フィルター)というものがどういったもので

どういう理論で反射光と言われる光を抑えていくのかを

動画で作成させていただきましたので

是非ご覧いただければと思います。



一言に偏光レンズと言っても、その製法や素材は多岐に渡ります。

ですがその中で本当に目によいもの、

本当に欲しい視界を実現してくれるレンズというものは

これだけ多くの偏光レンズというものがある中で一握りしかありません。

本来偏光レンズは目に優しいレンズです。

ですが粗悪なものが出回ったりしているために

「偏光酔い」という言葉が生まれるようにまでなりました。

偏光酔いという俗称は、偏光レンズをかけると

酔ったようにフラフラ像が揺れて見えるために見えてしまう現象ですが

これは本来正しい製法で作成されたものであれば

こういった揺れは起こりません。

熱で偏光シートを押し出したものや、素材的な関係で

こういった現象が生まれてしまいます。

もちろん偏光レンズに限らずこういった現象が素材や性能の関係で

起こりうる場合もありますし、

偏光レンズが活躍する場面もあれば

偏光でない方がよいシチュエーションもあります。

レンズカラーも同様に、色が濃ければ濃いほど眩しさを抑える効果はありますが

本当に眩しい場面でしか着けれず、眩しいんだけどサングラスをかけると暗い

などということにもなります。

逆に出来るだけ明るいレンズが欲しいというご要望も多々頂きますが

暗い場面では明るくすることで見やすくなりますが

日差しの強い場面ではやはりその状態では眩しいです。

適した場所で適したものを使うこと、これが本来であり

私が出来ることはサポートさせていただいております選手や

トップアスリートやプロの方々の意見や感想、今までの皆様から頂きましたお声を

フィードバックさせていただき、その検証結果に基づいた内容を

ご提案させていただき、その場面での最良のレンズやフレームなどを用い

そのシチュエーションで最大の力を発揮できるようにすることが出来ます。

中途半端なものはやはり中途半端になります。

人間は日常でも目で見る視界の情報から判断し行動をしています。

スポーツ時は感じ取る情報の9割以上が眼から取得しているとも言われます。

これを置き換えて言えば、その競技やシチュエーションにおいて、

選手やアスリートのその場面で見たい視界を実現できれば

その選手にとって大きな力であることは間違いないということが言えます。

逆に必要な視界を映し出すことが出来なければ、

周囲の状況や自身が何を次にするべきかの判断が遅れて、

競技などの妨げになってしまうこともあるでしょう。

そのために様々なテストと検証を行い、

本当にアスリートに求められる機能をもったレンズやフレームを選定し、

それらを正しい加工方法で本物のアイギアを作り上げます。

本当にあなたの見たい視界を実現するために

その視界を得て、あなたの持つ能力を最大限に発揮し

より高みへと昇っていくために、私が出来ることがあります。




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2012年3月2日金曜日

反射光を抑えること出来る唯一のレンズ・偏光レンズ

偏光レンズについての動画をUPいたしましたので

是非ご覧いただければと思います。



反射光を抑えるという機能を持つのはこの偏光レンズのみです。

というのも、偏光膜(偏光フィルター)という特殊な膜を挟み込んであるからこそ

こうした反射光と呼ばれる光を抑えることが出来、

これ以外のレンズは反射光を抑える機能というものはありません。

この偏光膜を挟み込んだレンズが偏光レンズと呼ばれるものです。

動画でも詳しくお話させていただいておりますが、

このブログでも偏光レンズについて触れていきたいと思います。

まず反射を抑えるという役割は前述させていただきましたとおりですが、

簡単に図で表しますとこんなイメージです。



偏光レンズとは直進する光が乱反射により、目に眩しい光線を遮断するレンズです。

目を疲れさせる原因は自然光の眩しさより反射光のギラツキです。

ですが、従来のサングラスレンズでは光の量を減らすだけで

目を疲れさせる反射光はカットできません。

この目に負担のかかる「雑光」、音で言うなら雑音を薄いフィルターで取り除き、

澄み切ったここちいい光景に変えるのが偏光レンズです。

ではここで反射光というものについて触れさせていただきたいと思います。

■S偏光とP偏光



光が界面で反射される際、反射光では一般に、振幅の変化と位相の跳びが生じます。

電磁波である光は横波としての性質を持ち、

日光のような自然に降り注ぐ光では、その波の揺れは進行方向に向かって

360度平均的に混合された振動方向を持つ無数の光から構成されています。

同じふり幅を持つ自然光が水面や濡れた路面などに入射した際に

つまり異なる物質間の境界面で光が反射するとき、

一定の方向の光が強くなり、反射と私たちは感じます。

つまり偏光レンズであろうがなかろうが、自然光の眩しさを軽減するのは

あくまでレンズの色の濃さの問題であり、

偏光レンズにしたから自然光の明るさが変わるということはありません。

そして私たちが言う反射光とは、

「入射面」と「電場または磁場の振動方向」によって定義される光で、

電気ベクトルが入射面内で振動する光の成分をp成分(p偏光)と呼び、

電気ベクトルが入射面に垂直に振動する光の成分をs成分(s偏光)と呼びます。

s偏光の方がp偏光より反射率が大きいので、

界面からの反射光は一般にs成分を多く含む光となります。

そして、pおよびs成分を含む光が入射すると、

反射光は完全にs偏光(s成分のみ)となります。

 この反射をp方位の偏光子があるレンズで見た場合に反射光が抑えられるという

原理を持たせたものが偏光レンズです。

水面に入射する光が「ブリュースター角」である53度(水平方向で言うと37度)になると

100%偏光して反射されます。

この角度に対して各々のレンズの偏光度というものは計測されております。

それ以外の角度になれば例えば99%の偏光度を持つレンズでも

反射光と呼ばれる光を抑える役割は低下しますので、どの角度でも99%の

偏光度を持つというレンズではないと思ってください。

どの偏光レンズであってもこの方向に対しての偏光度を表しております。

そしてその一定の方向に対しての光を抑える役割を持たせた

偏光膜(偏光フィルター)を挟み込んだものが偏光レンズというものです。

空気清浄機が汚れた空気をフィルターで除去し、

綺麗な空気だけを排出するのと同じように

偏光レンズは偏光膜で目の疲れの原因となる反射光を除去し、

目に優しい光だけが目に入ります。

それが唯一出来るのは偏光レンズというレンズのみなのです。

 この偏光レンズを使用することで今まで反射光に遮られて

見えなかったものが見えたとき、

それはあなたにとって今までにないクリアな視界を提供し、

本当に必要な情報を得ることが出来ます!







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